日本における外国人労働者の状況

1 日本の労働力不足

 日本の総人口は、少子化を背景に2008年をピークに減少に転じました。生産年齢人口 (生産活動への従事が可能とされる15 〜 65歳の人口)については、2008年よりさらに前の1995年に8,700万人台のピークを迎えていて、当時と比較すると現在では1,000万人以上が減少したことになります。  一方、労働力人口(15歳以上で、かつ労働能力・意欲を持つ)は、65歳以上の増加が影響し、ここ数年微増となっています。とはいえ、やはり若年層はそもそもの人口が減少している事もあり、人手不足の解消には程遠い状況であるといえます。

2外国人労働者数の推移

 日本の総人口と生産年齢人口が減少している状況下で、逆に外国人労働者の数は増え続けています。2018年10月時点の外国人労働者が140万人に達し、2007年に外国人雇用の届け出が義務化されて以降、最多を更新しました。前年の2017年より14.2%、約18万人の増加となり、2008年の約49万人に比べて、10年間で約3倍に増加しています。現在、日本各地で、また各産業において人手不足が叫ばれていますが、社会的・経済的に日本全体が外国人という新たな労働力に期待しており、今後もこの傾向は続いていくと考えられます。

 とりわけ今後の大きな社会問題となっていくのは、終戦直後(1946-1950)に生まれた第一次ベビーブームの世代が介護を必要とする年代に差し掛かっていることです。このままでは、介護職に従事する人材の深刻な不足が予想され、海外からの介護に携わる人材を求める動きも強くなっています。日本政府もこうした深刻化する労働力不足に対して外国人人材を活用していくために、日本の企業が外国人を雇用しやすく、また外国人が働きやすくなるよう、様々な政策を導入しています。

3アジア圏の出身国別外国人労働者の割合

 日本で労働に従事するアジア圏からの外国人を出身国別の割合でみると、トップは中国(38万9,117人)で、ベトナム(31万6,840人)、フィリピン(16万4,006人)と続くほか、ネパール、韓国、インドネシアなどが上位を占めており、アジアを中心に非常に多国籍化していることが見てとれます。

4注目される外国人人材の雇用

 これまでの外国人人材の活用というと、あくまでも留学生や技能実習生の「安価な労働力の補填」といった短期的な利益の確保という企業戦略の側面が強かったように思います。しかし今後は、このような短期的な戦略から「永続的な企業発展のための安定的で質の高い労働力の導入」という長期的な戦略へと転換していくことが重要になるのではないでしょうか。すなわち、彼らを日本人と同様に貴重な戦力として受け入れ、しっかりと育成し、十分に能力を発揮してもらうことができれば、企業のみならず、日本社会・経済に素晴らしい効果を生みだす可能性があるということになります。 

 例えば、彼らは日本人とは異なった文化で育ってきています。日本人に比べて考え方が柔軟であったり、チャレンジ精神が旺盛であったり、これまで日本人にはなかった様々な発想や経験から、日本人の発想では困難だった課題を簡単に解決に導いてくれることがあるかもしれません。また、そもそも母国語が異なり外国語にも堪能なため、海外展開等での市場リサーチなど、彼らの強みを活かして日本人にとってはハードルの高いタスクをこなしてもらうことが期待できます。 

 もし、外国人人材をこのように長期的な視野に立ち戦略的に活用していくことができれば、過疎化した地方へも人材が循環し、古くから伝わる地域のモノ作りの技術や品質の維持、後世への継承にも一役買ってもらえる可能性が生まれるのではないでしょうか。それが企業の発展や更には地域の活性化、つまり地方創生に繋がるといっても過言ではないでしょう。また、そうした戦略的な人材活用は、外国人人材にも非常に大きな安心感を与えることになり、日本の労働市場自体が大きな魅力となりえます。それが彼らのモチベーションやインセンティブとなって、今後日本国内に限らず多国間で競争となることが予想される海外からの人材確保の点でも、大きなアドバンテージをもたらすことになるでしょう。 

 しかし一方で、現在すでに日本に在留している外国人については、医療や教育を始め様々な分野で課題が発生しています。特に日本語教育の分野では、2019年6月に日本語教育推進法が可決され、外国人人材の日本社会への定着のためにも国、自治体、企業の責任が明確にされました。企業でもこうした課題の解決に対して積極的に取り組み、行政や地域と共に貢献していくことができれば、最終的に社会的コストを減らすことにもなり、「良い企業」として社会的にも大きな評価を得て、企業価値の向上にも貢献するのではないでしょうか。それはCSR (企業の社会的責任)が重要視される昨今においては大変重要な企業活動になることは間違いありません。 

このように、外国人人材は私たちが想像していた以上に日本社会において間接的にも新しい価値を創造してくれる可能性があるのです。 

*このコンテンツは株式会社インカレックスとの提携により、情報を提供いただいて作成しています。

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