日本語能力試験N1、N2、N3のレベル差はどれくらい?

日本語能力試験(JLPT)は、外国人採用を行う際に日本語レベルを把握する基準として多くの企業が重視しています。日本企業で就労したい外国人にとっても、アピールできる資格として毎年多くの人が受験しています。採用企業にとって、採用する外国人の日本語レベルは高い方が望ましいですが、最低限の仕事で必要とされるN3から、N2、N1(最高レベル)の違いが気になることでしょう。そこで今回は、N1〜N3のレベル差について解説していきます。

日本語能力試験(JLPT)は世界最大規模の日本語試験

日本語能力試験(JLPT=Japanese-Language Proficiency Test)は、年2回(7月と12月)実施される世界最大規模の日本語試験です。「日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する」ことを目的として1984年に開始されました。その後、試験内容は改定され、現在の試験内容は2010年から新たに設定されたものです。

日本語能力試験には5つのレベル(N1、N2、N3、N4、N5)が設けられています。試験はマークシート方式の解答となっており、試験科目の構成は「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」です。

試験科目と試験時間

レベル試験科目 <試験時間>
N1言語知識(文字・語彙・文法)・読解 <110分>聴解 <60分>
N2言語知識(文字・語彙・文法)・読解 <105分>聴解 <50分>
N3言語知識(文字・語彙) <30分>言語知識(文法)・読解 <70分>聴解 <40分>
N4言語知識(文字・語彙) <25分>言語知識(文法)・読解 <55分>聴解 <35分>
N5言語知識(文字・語彙) <20分>言語知識(文法)・読解 <40分>聴解 <30分>
出典:日本語能力試験JLPT
https://www.jlpt.jp/guideline/testsections.html

日本語能力試験(JLPT)N1、N2、N3レベルの違い

日本語能力試験にある5つのレベルの中で、最高位にあるのがN1です。N1は日本人とほぼ同等のコミュニケーションが可能と見られていますが、N1以下となるN2やN3がどの程度のレベルなのか気になる人も多いでしょう。ここからは、N1、N2、N3の違いを見ていきます。

日本語能力試験N1(通訳ができる)
幅広い場面で使われる日本語を理解できる
読む
・新聞の論説や評論といった複雑または抽象的な文章を読み、構成や内容が理解できる。
・深い内容の文章を読み、細かな表現の意図することや話の流れが理解できる。
聞く
・様々な状況(会話、ニュース、講義など)で、自然な速さの会話から話の流れ、内容、登場人物や論理構成を詳細に理解できる。
日本語能力試験N2(日本語のディスカッションが可能)
日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる。
読む
・新聞や雑誌の記事・解説、平易な評論といった論旨が明快な文章を読んで理解できる。
・一般的な話題に関する読み物を読み、話の流れや表現意図が理解できる。
聞く
・様々な状況で、自然に近い速さの会話やニュースを聞き、話の流れ、内容、登場人物の関係を理解したり容姿を把握できる。
日本語能力試験N3(単独で作業可能)
日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる
読む
・日常的な話題について具体的に書かれた内容を理解できる。
・新聞の見出しなどから情報の概要をつかめる。・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば要旨を理解できる。
聞く
・日常的な場面で、自然にやや近い速さの会話を聞き、話の具体的な内容を登場人物の関係などと合わせてほぼ理解できる。
出典:日本語能力試験JLPT https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

日本語能力試験(JLPT)N1、N2、N3の問題例

日本語能力試験では実際にどのような問題が出題されるのか気になるところです。聴解は実際に会話の内容や質問をリスニングし、適切な解答を選択します。ここでは、日本語能力試験(JLPT)のホームページで公開されている「言語知識(文字・語彙・文法)」の問題例を見てみましょう。

N1の問題例
Q. _____の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
彼は今、新薬の研究開発に挑んでいる。
1 はげんで  2 のぞんで
3 からんで  4 いどんで

Q. ( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
私の主張は単なる( )ではなく、確たる証拠に基づいている。
1 模索  2 思索
3 推測  4 推移
N2の問題例
Q. _____の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
この黒い種からどんな花が咲くのだろうか。
1 だね  2 たね
3 じゅ  4 しゅ

Q. ( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
日本人の平均( )は、男性が79歳、女性が86歳である。
1 生命  2 寿命
3 人生  4 一生
N3の問題例
Q. _____のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
山本さんはクラスの代表に選ばれた。
1 たいひょう  2 だいひょ
3 だいひょう  4 たいひょ

Q. ( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
( )寝たので、気持ちがいい。
1 すっかり  2 ぐっすり
3 はっきり  4 ぴったり
出典:日本語能力試験JLPT https://www.jlpt.jp/samples/forlearners.html

日本語能力試験(JLPT)のレベルは差が出やすい

外国人の日本語レベルについては、日本語能力試験の結果を基準に判断する企業が多いですが、実際は同じレベルでも個人差が大きく現れます。なぜなら、日本語能力試験では会話のテストはなく、試験で点数が取れても会話があまりできない人が少なくないからです。

日本人がTOEICや英検で高い点数を取っても英会話が全くできない人が多いように、外国人がN3やN2を取得しているからといって、日本語での会話ができるとは限りません。特に日本での滞在経験がなく、試験のみを受けた外国人は会話が苦手な人が多いのが実情です。

外国人採用を行う場合は、日本語能力試験のレベルだけでなく、実際に会話を通じて日本語でのコミュニケーション能力を確認することをお勧めします。また、採用する際には必ず日本語能力試験の「成績証明書」を確認しましょう。人によっては受験していないにもかかわらず、自称でレベルを申告するケースがあるため注意が必要です。

まとめ

日本語能力試験のレベルは5つに分かれていますが、マニュアルに沿って単独で作業できるレベルがN3からとされています。N2であれば日本語でのディスカッションができ、最高レベルのN1は通訳も可能でしょう。外国人採用ではN1を採用基準にしている企業が少なくありません。採用する側として、最高レベルを求めるのは理解できます。しかし、N2やN3レベルでも問題なく業務を遂行できるはずの仕事であっても、N1に固執しているケースが多々あります。外国人採用で重要なのは、従事してもらう職種において、日本語能力が必要なレベルを満たしているかどうかなのです。最高レベルでなくても、業務遂行に問題がなければ積極的に採用を進めることが、外国人採用における成功の秘訣なのです。

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